7月下旬に有給を使って熱海に行ってきます!イトウです
前回に引き続き、ERPモジュールのご紹介です
今回はPPモジュールです!
01PP(生産管理・計画)モジュールとは?
Production Planning and contral(プロダクション プラニング アンド コントロール)の略称です
このモジュールは企業の生産プロセス全体を管理できるモジュールです
機能は、生産計画と製造実績があります
02生産計画の流れ
① 計画独立所要登録 or 受注登録
「or」となっている理由は、見込生産なのか、受注生産なのかの違いがあるためです
ファミレスやコンビニ、パン屋なんかは見込生産で、例えば今日は晴れだから50個作ろう…
雨だから30個作ろう…という予測数量をSAPでは計画独立所要量と言います
受注生産については、注文が入ってから生産を始めるので自動車製造が分かりやすいと思います
受注生産では、受注品目、数量、納入日などをもとに生産計画を立てます
② MPS・MRP(所要量計画)
MPS → Master Production Schedule(マスター プロダクション スケジュール)[製品・半製品]
MRP → Material Requirement Planning(マスター リクァイアメント プラニング)[材料]
このフェーズでは、計画独立所要量もしくは受注数量をもとに、製品・半製品をいくら生産しないと
いけないのか、
材料をいくら発注しないといけないのかを計算します
半製品というのは、車ならエンジンやトランスミッション…服ならファスナーやボタンなどなど…
所謂「部品」を指します(または中間的製品とも言うそうです)
MPS,MRPと言葉を使い分けていますが、所要量算出の計算方法はどちらも同じ方法です
※ 必要数量ー現在在庫数ー入庫予定数+出庫予定数+安全在庫数 = 発注or生産数量
③ CRP(能力計画)
CRP → Capacity Requirements Planning(キャパシティ リクァイアメンツ プラニング)
MPS,MRPで算出した結果をもとに、生産能力計算をします
簡単に言えば「所要量を計算したはいいけど、それ作業負荷的にどう?いける?」を考えます
MPS,MRPの段階では、何を(品目)、いつ(何日に)、いくら(数量)、必要なのかを計算するだけです
計算結果が1億個だから1億個その日に作れ!なんていわれても無理ですよね
例えば、フレンチトースト作り担当が1時間で20個作れますが、MPSの計算結果は200個でした
1日8h労働なので、1日160個のフレンチトーストが作れますが、40個足りません
そこで残りの40個は、2時間残業したり、他スタッフが肩代わりするなど能力計画をします
例として1日の能力計画で例えましたが、数か月での計画も可能です
④ 計画手配 → 製造指図・購買依頼へ変換
MPS,MRPが実行されると計画手配という伝票が登録されます
計画手配は、まだ確定はしていないけど、あくまで予定ということです
「変換」するタイミングは、MPS,MRPの実行、そして能力計画が終え、生産・発注に取り掛かっても問題ないと判断すれば計画手配から製造指図、購買依頼に伝票の変換をします
製品・半製品なら製造指図になり、材料なら購買依頼になります
製造指図が登録されれば生産者はそれを作る準備に取り掛かり、購買依頼が登録されれば調達担当者は内容をチェックして材料を仕入れていきます
購買依頼は、前回ご紹介したMMモジュールに繋がってくるんです!
03製造実績の流れ
製造実績では、上記でご紹介した製造指図をもとに作業(計上)をします(※製造指図は、製品・半製品)
どんな情報を計上するのかというと以下の3つになります
① 構成品出庫
ここでは、モノを作るのに材料をいくら使ったか?を実績計上します
フレンチトーストを2枚作る場合で例えると…
・パン: 2枚
・卵: 1個
・牛乳: 100ml
・バター: 10g
・砂糖: 大さじ1杯
という構成出庫実績を計上し、また構成品出庫時には
・品目: パン
・数量: 2枚
・プラント/保管場所: カフェ・イトウ東京店の冷蔵庫
・ロット番号: P000001
といった情報を入力します(※ロット番号は完全に例です)
構成品出庫実績を計上すると[ 指定した品目、数量、保管場所、ロット ]の在庫が減ります
このロットを使うことで在庫のグルーピングが出来るので、MMモジュールとの繋がりがあります
② 生産品入庫
ここでは、モノをいくら作ったか?を実績計上します
・フレンチトースト: 2枚
という生産品入庫実績を計上し、生産品入庫時には
・品目: フレンチトースト
・数量: 2枚
・プラント/保管場所: カフェ・イトウのフレンチトースト保管用冷蔵庫
・ロット番号: F000001
といった情報を入力します
生産品入庫実績を計上すると[ 指定した品目、数量、保管場所、ロット ]の在庫が増えます
③ 作業時間
ここでは、モノを作るのにどのくらい作業時間がかかったか?を実績計上します
・材料を混ぜる時間: 3min
・パンを浸す時間: 2min
・パンを焼く時間: 5min
という情報を計上し、同時に作業が完了したことも合わせて入力をします
作業時間がなぜ計上する必要があるのかというと、加工費を計算するためです
労働コスト、機械稼働コスト(ガス代など)、オーバーヘッドコスト(維持費、光熱費など)を足せば
加工費が算出できますが、それで何なの?と思われた方もいると思います
「混ぜる時間3分を2分にしよう!」とするだけで労働コストと機械稼働コストが減ります
このように生産性分析に使えたり、実質的なコスト削減にも繋がるのでメリットがあるのです
04終わりに
どうやら、このブログを書いている間に7月に入ったようです
全体研修が終わり、大阪組、福岡組は支社へ…そして私はSAPソリューション事業部に配属しました!
今回のブログはPPモジュールでしたが、いかがだったでしょうか
他モジュールと繋がる部分が出てきましたよね?これがERPの特徴なのです
余談ですが、SAPではMM,PP,SDのモジュールをロジ系、FI,COは会計系と言うらしいですよ!
お仕事をする際に「私はロジ系担当です」と自己紹介をすることもあるらしいです
自宅でSAPの個人ブログを漁っている時にこんなことが書かれていました
「SAPスキル面での自分の対象範囲 (例えばモジュールとか) を限定しない方がいいと考えています」
↓こちらのブログを拝見しました
SAP ERP モジュールコンサルタントについて
将来的な話だと思うので、先ずは1つずつ落ち着いて各モジュールを理解していくのが良いと思います
同期全員と同じ研修を受けていないのを実感してからは、社会人として一歩前に進んだ嬉しさと同時に寂しさも感じています (目の前にいるんですけどね…笑)
「vol.5 ERP② PPモジュール編」を読んでくださり、ありがとうございました!
次回vol.6も、ぜひお越しください!