約2か月の夏休みが無いのを実感して「もっと学生時代に色んなことをやっておけば良かったな」
と思いふけるイトウです・・・
習い事をやってみるとか色々できたはずなのに、その時間の貴重さが後から気付くものなんですよね
今現在のメンタル、バイタリティ、記憶を保持したまま戻れるならサッカーを本気でやってみたい
「今価値を感じる」と「後から価値を感じる」の判断って難しいと思いませんか?
捉え方によっては「後悔できたことに価値を感じる」というのもありますよね
もう終わったことだから…と割り切っていつも前に進んでいますが、忘れ物は取りに行きたくなります
さて、今回でERPモジュールの紹介は最後になります
COモジュールです
01CO(管理会計)モジュールとは?
COntrolling(コントローリング)の略です
このモジュールは社内向けに費用・収益の分析が出来るモジュールです
FIモジュールは社外だったのに対して、COモジュールでは社内になります
財務会計(FI)は経営成績表で、管理会計(CO)はこれからの経営判断をするための材料と覚えてください
社内の経営に役立てるための原価や収益性のレポートなので、百社百様なのが特徴です
そのため、COモジュールを使いこなしている企業は経営に強い企業だと言われています
主な機能として、間接費管理、製造原価管理、収益性分析があります
02間接費管理とは?
製造に直接関係のない費用(間接費)を集計し、各部門に配賦することが出来ます
「間接費とは?」と聞かれた時に思いついたものは何ですか?
電気代,消耗品,etc…が該当し、特に「電気代」は間接費としてイメージしやすいと思います
では…「その電気代は誰が使ったのか特定出来る?」と聞かれたらどうでしょう?
回答するにしても、社員全員が使ったなど、全体的な回答になると思います
直接費ならどの部門で使ったか分かりますが、間接費はどの部門で使ったのかが明確に分かりません
雑に「その部門が使ったことにしよう」としたら偏りが起き、後の経営判断が正確ではなくなります
その為に配賦という機能を使います
会社全体(または事業部全体)で使った費用だから「関わった人全員で按分しようね」という考えです
配賦するためにはルール(配賦割合)が必要で、それぞれの会社環境に合わせて決めることが出来ます
部活動で例えてみましょう
美術部、パソコン部、サッカー部があったとします
- 美術部は毎週2日活動なので、教室を2日使いました
- パソコン部も毎週2日活動なので、教室を2日使いました
- サッカー部は戦術理解のため、毎週1日は教室を使っています
- 1か月の電気代は50,000円です
教室の使用日数を基に配賦するルールだった場合…
- 美術部(週2日) : 20,000円
- パソコン部(週2日) : 20,000円
- サッカー部(週1日) : 10,000円
と配賦することが出来ます
社内で配賦ルールを決めていくのは大変な作業です
次に説明する製造原価を正確に計算するためにも、納得のいく配賦ルールにする必要があります
03製造原価管理とは?
間接費の配賦、生産マスタ/製造実績の集計
そしてそれらを基に標準原価計算・実際原価計算をすることを目的としています
そもそも製造原価というものはご存じでしょうか
簡単に言えば「モノ」を作るのにかかったコストのことを指します
モノ作りには材料費と加工費がかかります
材料費は小麦粉や牛乳など、加工費は人件費や水道光熱費などが該当します
この材料費と加工費を足し合わせた製造原価のイメージは次のようになります
(例)フレンチトースト作り
- 焼く前のフレンチトーストを作るために[牛乳(100円) , 卵(80円) , バター(20円) , 砂糖(10円)]
- フレンチトーストを焼くという行為に400円の加工費がかかる
このようなイメージになりますが、ここで出てくるのが標準原価計算、実際原価計算というものです
標準原価計算
理論上かかるコストのことです
上記に沿って、ここではフレンチトースト1個610円というコストがかかる理論上の原価だと仮定します
標準原価はPPモジュールのBOMマスタと作業手順マスタを使って計算されます
(※マスタの説明は省略…PPで計算されるんだな程度で大丈夫です)
因みに、BOMマスタは材料費のもと、作業手順マスタは加工費のもとになります
「理論値」というと語弊が生まれそうなので、あえて他の言葉で言うと…
「想定」という考え方もあり、私はどちらかというとこのタイプです
実際原価計算
実際にかかったコストのことです
「フレンチトーストの標準原価は610円だけど、実際にはいくらかかったの?」というのを計算します
実際原価はMMモジュールの購買実績とPPモジュールの製造実績から計算されます
MMの具体例 → 卵10個発注したけど1個割れていた、牛乳がセールにより70円で買えた
PPの具体例 → 焼く時間が5分のところ10分焼いてしまった
- 焼く前のフレンチトーストを作るために[牛乳(70円) , 卵(80円) , バター(20円) , 砂糖(10円)]
- フレンチトーストを焼くという行為に600円の加工費がかかる
「標準原価では610円のところ、実際には780円かかった」という結果になりましたね
この差異のことを原価差異と言います
今回の場合は「牛乳が安く仕入れた」「焼く時間が長い」というところに原価差異がでています
その原価差異をもとに「焼く時間を短くできないか?」「なぜ焼く時間が長くなったのか?」
ということを検討して改善していきます
04収益性分析とは?
間接費管理・製造原価管理から連携された原価情報と
SD・PP・MM・FIから連携された収益情報を合わせた分析をすることを目的としています
収益性分析は、企業がどれだけの利益を得ているかを詳細に分析する為のプロセスです
どの製品やサービスが最も利益をもたらしているのか
あるいはどの市場や顧客が最も利益を上げているのかを分析します
また費用にはどの製品の費用なのかはわからない会社共通、事業部共通などの費用が存在します
そこで行うのが配賦です
共通費用を配賦せずに収益性分析をした場合、正確な分析ができないため
共通費用の配賦ルールに従って按分する必要があります
ここでいう配賦は、間接費の配賦とは別物です
その理由としては目的が違うからです
収益性分析での配賦は、どれほど利益を上げたのかを分析するためのもの
間接費での配賦は、どこで間接費を使っているのかを定めるためのもの
という目的としています
収益性分析では様々な間接費を配賦するのに対して、間接費管理では従業員が何人だから
このくらい配賦するという具体的な基準を基に配賦されています
05終わりに
今回のブログでERPモジュールのお話は終わりました
SAP事業部だけに限らず、エンタープライズ開発部(GRANDIT)でも活用できる知識です
このブログは9月25日投稿ですが、7月31日時点で既に5つのモジュールを書き終わったので
2ヶ月間ネタを考えれる時間が生まれました
堅すぎたので、次はラフにプライベートのことでも投稿しようかな~と思っています
10月にはプライベート色強めのブログを投稿しているはずです
好きなサッカーゲームについて語ろうかと思います
(入社しても遊べるくらいの余裕はあるよというアピールです)
ERPモジュールの解説は当ブログにて終了です!
「vol.8 ERP⑤ COモジュール編」を読んでくださり、ありがとうございました!
次回vol.9も、ぜひお越しください!