AI①:3分でわかる、ディープラーニングの仕組み

業務

こんにちは!今日は「ディープラーニング」と「ニューラルネットワーク」についてお話しします。難しそうに聞こえるかもしれませんが、今回は面白い例を使って、これらの技術がどんなものかをわかりやすく説明します。

ニューラルネットワークとは?

ニューラルネットワークは、脳の働きをモデルにしたコンピュータのプログラムです。人間の脳には「ニューロン」という小さな細胞がたくさんあり、これらが互いに信号を送り合って情報を処理しています。ニューラルネットワークも同じように、たくさんの「ノード」(ニューロンに相当)を使って情報を処理します。

ディープラーニングとは?

ディープラーニングは、ニューラルネットワークをさらに進化させたものです。特に「ディープ」という名前が付いているのは、たくさんの層(レイヤー)を使って情報を処理するからです。これにより、ディープラーニングは非常に複雑な問題を解決する能力を持つようになりました。では、ここからは面白い例を使って、これらの技術がどのように働くのかを見ていきましょう。

シナリオ

「お菓子の味当てコンテスト」が開催されることにします。このコンテストでは、目隠しをしてお菓子を食べ、その味を当てるというものです。しかし、ただ人が当てるだけでは面白くないので、コンピュータにこの味を当てさせることにしました。

ニューラルネットワークの役割

ここで登場するのがニューラルネットワークです。コンピュータにお菓子の味を当てさせるために、ニューラルネットワークを使います。まず、お菓子の味に関するデータを集めます。例えば、甘い、酸っぱい、苦い、しょっぱいなどの情報です。

学習プロセス

ニューラルネットワークは、このお菓子の味に関するデータを使って学習します。最初は全然うまくいかないかもしれません。ですが、たくさんのデータを使って何度も試行錯誤することで、少しずつ正確に味を当てられるようになります。このプロセスを「トレーニング」と呼びます。

ニューラルネットワークの基本:ニューロンの仕組み

層の構成

ニューラルネットワークは通常、以下のような層で構成されます:

  • 入力層: 最初にデータが入力される層です。お菓子の味当てコンテストでは、味の特徴(甘さ、酸っぱさ、苦さ、しょっぱさなど)がここに入力されます。
  • 隠れ層: 入力層からのデータを処理する層です。ニューラルネットワークは、複数の隠れ層を持つことができます。これらの層がデータを複雑に変換し、より高度な特徴を抽出します。
  • 出力層: 最終的な結果を出力する層です。お菓子の種類(チョコレート、キャンディー、クッキーなど)がここで予測されます。

  • ニューロンの基本構造

    単一のニューロンは、以下の要素から構成されています:

  • 入力(Input): 他のニューロンからの信号やデータ。
  • 重み(Weight): 各入力に対して重要度を示す値。
  • バイアス(Bias): 入力の合計に加える調整値。
  • 活性化関数(Activation Function): 入力の合計を出力に変換する関数。
  • 出力(Output): 他のニューロンに送られる信号やデータ。

  • 例:お菓子の味当てコンテストのニューラルネットワーク

    実際の動作

        ステップ1: 入力を受け取る

        まず、ニューロンは複数の入力を受け取ります。お菓子の味当てコンテストの例で言えば、入力は「甘さ」「酸っぱさ」「苦さ」「しょっぱさ」などの味の特徴です。

        入力: 甘さ = 0.8, 酸っぱさ = 0.2, 苦さ = 0.1, しょっぱさ = 0.4

        ステップ2: 重みを掛ける

        次に、各入力に対して重みを掛けます。重みは、各入力がどれだけ重要かを示す値です。

        重み: 甘さ = 0.5, 酸っぱさ = 0.3, 苦さ = 0.2, しょっぱさ = 0.4

        これを掛け算すると、

        重み付き入力: (甘さ * 0.5) + (酸っぱさ * 0.3) + (苦さ * 0.2) + (しょっぱさ * 0.4)

                    = (0.8 * 0.5) + (0.2 * 0.3) + (0.1 * 0.2) + (0.4 * 0.4)

                    = 0.4 + 0.06 + 0.02 + 0.16

                    = 0.64

        ステップ3: バイアスを加える

        次に、バイアスを加えます。バイアスは、入力の合計に加える調整値です。

        バイアス: 0.1

        これを加えると、

        合計入力: 0.64 + 0.1 = 0.74

        ステップ4: 活性化関数を適用する

        次に、合計入力に「活性化関数」を適用します。活性化関数は、ニューロンが次の層にどのような信号を送るかを決定する関数です。ここでは、シンプルな「ステップ関数」を使ってみましょう。この関数は、入力がある閾値(しきい値)を超えた場合に1を返し、そうでない場合に0を返します。

        閾値: 0.5

        合計入力が0.5を超えているので、活性化関数は1を返します。

        出力: 1

        この1が次の層のニューロンに送られる信号になります。

        では、ニューラルネットワークの流れを見てみましょう

        ステップ1: 入力層

        入力層には、味の特徴が入力されます。

        入力層: [甘さ = 0.8, 酸っぱさ = 0.2, 苦さ = 0.1, しょっぱさ = 0.4]

        ステップ2: 隠れ層

        入力層のデータは、隠れ層に渡されます。隠れ層の各ニューロンはそれぞれの重みとバイアスを持ち、入力を処理します。

        隠れ層1のニューロン1: (甘さ * 0.5) + (酸っぱさ * 0.3) + (苦さ * 0.2) + (しょっぱさ * 0.4) + バイアス = 出力

        隠れ層1のニューロン2: (甘さ * 0.6) + (酸っぱさ * 0.2) + (苦さ * 0.1) + (しょっぱさ * 0.5) + バイアス = 出力

        各ニューロンの出力は、次の隠れ層または出力層に渡されます。

        ステップ3: 出力層

        隠れ層の出力が出力層に渡されます。出力層のニューロンも同様に重みとバイアスを持ち、最終的な結果を出力します。お菓子の味当てコンテストの例で言えば、出力層ではお菓子の種類が予測されます。

        出力層のニューロン: (隠れ層1のニューロン1の出力 * 重み) + (隠れ層1のニューロン2の出力 * 重み) + バイアス = お菓子の種類

        例えば、出力層が「チョコレート」と予測した場合、これは「このお菓子はチョコレートです」という結果を意味します。

        ニューラルネットワークの学習

        ニューラルネットワークが正確に予測できるようになるためには、たくさんのデータを使って学習する必要があります。これを「トレーニング」と呼びます。トレーニングでは、正しい答えを知っているデータを使って、ネットワークの重みとバイアスを調整します。これにより、ネットワークが新しいデータに対しても正確に予測できるようになります。

        まとめ

        ディープラーニングとニューラルネットワークは、コンピュータが人間の脳のように情報を処理するための技術です。お菓子の味当てコンテストの例を使って、単一のニューロンの動作から、複数のニューロンを組み合わせたニューラルネットワークの全体像までを説明しました。お菓子の味当てコンテストの例が理解の助けになれば嬉しいです。興味を持たれましたら、ぜひさらに深く学んでみてください!

      Kyo Keigen

      Kyo Keigen

      出身:台湾 配属:ERP開発 ひとこと:多様なスキルを身につけ、いろんな可能性を広げていきたいです!

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